西慶寺のヤマモミジ

現在は輪島市になっているが、門前町はその昔、曹洞宗大本山總持寺の門前町として栄えた町である。輪島方面から国道249号線を走ってその總持寺祖院のある門前町の中心地に入る少し手前、本市交差点で左に折れ、そこから県道7号線を3kmほど走って門前町谷口地内に入ると、道路脇にヤマモミジの案内表示があるのですぐにわかる。西慶寺境内に立つヤマモミジは、樹齢500年、樹高15m、幹周5.3mと記された県内では最大級のヤマモミジで、景観にも優れ、他に例をみない立派なモミジであることから、県の天然記念物に指定されている。幹は根元で二本に分岐しているが、堂々と大枝を扇型に広げ、25mほどもあろうかという大きな樹冠をつくり上げている。さらに下方の大枝を一段下にある道路に向かって大きく伸ばすなど、その美しい樹形で西慶寺境内の景観を一樹でつくり上げている感がある。残念ながら紅葉はまだ見られなかったが、ヤマモミジにしては小さめの葉を密につけ、ほんのりと色付きはじめた頃の淡い雰囲気を漂わせている。