( 訪問・撮影日 2002年6月 )

東名高速・御殿場ＩＣで下り、北上するとほどなく国道246号線に出る。そこから15kmほど東へ走った所の 清水橋交差点で左折して河内川沿いに県道76号線を北上する。 丹沢湖に架かる永歳橋を渡り、信玄の隠湯といわれる中川温泉を過ぎてしばらく、短いトンネルを過ぎると、左手の箒沢集落の入り口に聳え立つ「箒杉」の姿が見えてくる。 樹齢2000年、樹高45m、目通り幹周12mと記された県下最大の杉で、国の天然記念物に指定されている。 昔の地名が宝木沢と呼ばれていたことと相まって樹形がほうきに似ていることから「箒杉」と呼ばれているそうだ。 　1972年の7月、丹沢山地は未曾有の集中豪雨にみまわれ、箒沢集落では家屋の多くが崩壊して流出するという甚大な被害を受けたが、 箒杉はより大きな土砂崩れをくい止め、すっくと立った姿から「箒杉は残った」と言わせたほどの存在感を見せたという。 険しい崖地にあって2000年も立ち尽くしている不思議な力と生命力の凄さを実感させてもらった。