(訪問・撮影日 2006年4月19日)

九州自動車道・植木ＩＣを下り、まずは東方10kmほどの所にある、菊地市泗水町を目指す。 旧泗水町役場から北東2.4kmほどの所にある吉富地区 村吉の小高い丘の上に「村吉の天神さん」 と呼ばれる奇怪な根を持ったイチイガシが立っている。 一目見るなり、指を立てて浮き上がったような特異な根元の姿にはビックリする。 長い年月をかけて根元の土が洗い流されて、それに準じて樹が自らの智恵を絞り、このような根上がりを造化したのだろう。 明治の中頃まではこの近くに小学校があり、子供の絶好の遊び場所であったということなので、 奥の方の深いところは子供が掘り進んだのかもしれない。 この樹は 樹齢300年以上、 樹高15m、幹周7.2mと記されて「ふるさと熊本の樹木」に登録されている。 根元にばかり目を取られてしまうが、例えこの根がなくともイチイガシとしては素晴らしいもので、立派な名木である。 土地の人達は昔から「天神さん」と呼んで祭っているが、何故に天神さんなのかは定かでないそうだ。