( 訪問・撮影日　2008.4.20 )

紀勢自動車道・大宮大台ＩＣを下りて　国道42号線を尾鷲方面へ南下、紀北町海山区の往古橋北交差点で右折して往古川沿いに北上します。 しばらくすると舗装道路は消えて 石の多い 荒れたダート道になります。 途中で、落差100ｍもあるという「小木森滝」を遠望するあたりまで来ると、山の深さを真に実感するようになります。 大台林道に入ってから13ｋｍほどを40分かけて走り続けると千尋峠に到着します。ここにはゲートが閉じられた千尋隧道があるので、 隧道の手前に車を置いて歩いて隧道を抜け、その先の林道を３０分ほど下ります。 大きな分岐点があるので右側に向かい、５分ほど歩くと粗末な小屋が建っいるスペースがあります。 この小屋の前で注意深く辺りを見回すと、水枯れした川の向こう側に大スギの姿が見えます。 「千尋一本杉」は林野庁の「森の巨人たち百選」に選ばれた樹で、推定樹齢 400年、樹高 45m、幹周 8.13mと記された自然スギだということである。 この場所には昭和４０年頃まで、営林関係者の千尋造林宿舎があり、その人達が生活していた形跡が残っています。 そういう意味では、生まれ育ちは自然木であっても、ある時期は人間と共生し、しかも人間に伐られることのなかった特別な運命を持った樹なのであろう。

千尋峠にある隧道(標高７４８ｍ)向こう側に
ゲートがあって通行規制が行われている。