( 全画像更新　撮影日　2014.7.01 )

大和から伊勢に通じる国道369号線と旧伊勢本街道沿いにある高井の地に「千本杉」と呼称されるスギの巨樹がひっそりと巨体を潜めている。 このスギは、推定樹齢600年とされる吉野杉で、密植された数本の木が根元の部分で融合癒着して一株のようになったものではないかと考えられている。 千本杉と呼ばれてはいるが、実際には、大小16本の幹が一つの大株から聳え立っているスギで、全体の幹周りは25mにも及ぶと記されている。 樹高は約30m、枝張りは東西南北22mを広げていて樹下に立って見上げると実に壮観で、遠望すると一団の森のような景観を作り出している。 この杉の根元には1m四方ほどの古い空井戸があって、これは杉が自然に水を集める作用を利用して作られた井戸であるとされ、 井戸杉としては日本最古最大のものではないかといわれている。樹は健全そのもので損傷もなく、樹勢は極めて旺盛である。 この樹には度々訪れているが、来るたびに思うのは、例え集合木であったとしても規模の大きさとその迫力から、日本有数の巨樹といってもよいほどの樹だ。