広大な奈良春日野の一画、春日大社参道の南に広がる芝生地が古来より「飛火野」と呼ばれてきた所です。 なだらかな芝地となっている飛火野の中でひときわ目立ち、且つ、存在感を示しているのがこの大クスです。 古くから生きてきたような風格を持っていますが、じつは、この木は明治４１年に、陸軍の大演習に際しての 饗宴に明治天皇が臨席された玉座跡に記念植樹されたものとのこと、見かけによらずまだ若い大クスです。 遠方から見ると一株のようにも見えますが、近づいてみると３本の木が根元で合着して一樹となり、雄大な1つの樹冠を作っているのがわかります。