松尾寺のクス

阪和自動車道、岸和田和泉ＩＣを下りて東に進み、突き当りの春木北口交差点を左折、 700m先の松尾口交差点で右折して1.2kmほど進むと右手に大楠が見えてくる。「松尾寺のクス」は松尾寺の境内ではなく、道路に面した松尾寺バス停のすぐ横にある。大楠にしては珍しいほどにバランス良く伸張した樹で、そのためなのかほとんど損傷部が見られない。樹齢700年、樹高30m、目通り幹周9.36mと記された見事なクスノキで、大阪府下では５指に入る大物だ。松尾寺は、修験道の開祖として名高い役小角(えんのおづぬ)が672年に開基したと伝えられる古刹で、寺の最盛期は、南北朝から室町時代にかけたころで、当時は寺坊308を数えて強力な僧兵を抱えていたが、織田信長の焼き討ちにあい全山を焼失した。その後、豊臣秀頼によって再建された寺だという。