( 訪問・撮影日　2013.6.27 )

ＪＲ函南駅西方の東海道本線のガードを通り抜けるとほどなく新幹線があり、 そのガードを通り抜けた直後の左手道路脇に「春日神社の大クス」がどん座っている。 この大クスは新幹線工事の際に全ての大枝が切り払われるという悲惨を体験しているそうだ。 新幹線のすぐ傍という立地環境からみて、神社を祭る地元住民の要望によってかろうじて残された大クスなのであろうと思う。 そんな当時からおよそ半世紀が経った今日では、切り跡から再生した枝が多数伸び上がっており、 結構大きな樹冠をつくるまでに再成長している。 そして、それにもまして印象に残ったのが、決して恵まれているとは思えないような大地に巨大な根を張り付けて、 テコでも動かないぞ！と意思表示しているような姿、その生命力の絶大さである。 樹齢850年、樹高17.5m、幹周9.4m、根元周囲11.33mと記される県指定天然記念物。 今日も、すぐ横をひっきりなしに走り行く新幹線に構うことなく、静かにじっと座り続けている。