清澄寺は日蓮上人の初学の地、立教開宗の霊場として日蓮宗大本山の一つになっている。 清澄寺の開山は771年に不思議法師と呼ばれる名もなき聖がやって来て、この地の老柏樹で小さな虚空蔵菩薩像を刻み、一宇を建立して安置、 そこで21日間の祈願修行をおこなって成就、暫くして何処ともなく去っていったのが始まりと伝えられる古刹で、 後の836年に慈覚大師・円仁が僧坊を建てて再興し、天台宗の寺院として栄えた。 1233年に近郊の小湊で育った12歳の日蓮が清澄寺に入り、道善房に師事して16歳で出家得度、 17歳の頃に虚空蔵菩薩に21日間不眠不休の祈願を行い、虚空蔵菩薩より智慧の大宝珠を得たという。 そして21歳の時に比叡山をはじめ各宗派の本山に遊学し、「法華経」こそが正しい釈迦の教えであると確信を得て、 32歳になった1253年に清澄寺に戻り、清澄山旭が森にて立教開宗の声をあげた。 だが、清澄寺は天台宗を変えることがなかったので、日蓮は下山して鎌倉へ布教の旅に出た。 清澄寺は1618年に真言宗に改宗していたが、近代になってからの1949年に初めて日蓮上人所縁の寺として日蓮宗に改宗し、 今は日蓮宗大本山の一つになっている。