七本サワラ

国道41号を久々野町で外れ、飛騨川に沿って朝日村甲に向かう。国道361号線と交差する甲交差点を右折して国道361号線を少し走ると、左手に高く聳える巨木が見える。この樹は、文作という人の墓標として植えられたものだと伝えられている。その文作は甲村を出て、高野山で修行した後に故郷に帰り、この地で大往生した。その際に文作の七人息子の長男がサワラの苗6本と、桜１本を一束にして植えて文作の墓標とした。桜は大正末期に枯れて、６本のサワラだけになってしまったが、今でも七本サワラと呼ばれている。樹齢700年、樹高43m、目通り幹周9.6mの合体木ではあるが全国第二位にランクされるサワラの巨木である。サワラはヒノキ科の高木で、本州中部各地に分布していて、木曽五木にも数えられているが、木材はヒノキに劣る。周辺整備が行われ見違えるほど綺麗になっている。