(訪問・撮影日　2007/04/24)

沼田市街から利根川を渡り、国道145号線を西に20kmほど走って中之条町に入る。 伊勢町下交差点で左折して国道353号線に入り、2kmほど先の市城駅近く、国道のガードレールの直ぐ後ろに立っている巨木が見える。 「中之条のサイカチ」である。この樹は日本有数のサイカチの巨木で、樹齢500年、樹高14m、目通り幹周5.6mと記されている。 地上3mあたりで二方に分岐した主幹に空洞が見られるが樹勢は旺盛で、昭和30年に中之条町で最初に県指定天然記念物になったという栄誉を持ち、 日本一のサイカチと大書した看板を掲げている。 古い記録によると、この地域一帯は、朝廷の御牧(みまき)で、名馬 白波を村上天皇に献上しているという。 そして、沼田城代となった海野能登守輝幸の愛馬もこの地の産で、市城黒と称していたという。 サイカチの実は古来に於いては馬を洗うのに用いられていたと言われているので、名馬の産地に立つこのサイカチも、 市城の古い歴史を背負っていたのだと考えられる。