囀石のモミ

中之条町五反田の親都神社を後にして、県道53号線を7kmほど北上した大道地区に「囀石(しゃべりいし)」という名のバス停がある。そこから更に300ｍほど北上したところに小渕家の屋敷があり、その屋敷への上り階段脇に大きなモミノキが立っています。昔から、この大きなモミの木のある屋敷を「モミの木大尽」といって、旅人が目印にしていた樹だったと言われている。この樹は昭和の初期に落雷によって焼け、主幹の半身に大きなダメージを受けているが、空洞を大きく開いたままの状態で今も元気に生きている。もし事故が無ければ、幹周は10mほどはあったと思われ、地元では全国でも横綱格のモミだと言うだけに、とてつもなく大きな樹だったようだ。今も、樹齢800年、樹高37m、目通り幹周7.8mと記されており、全国屈指(三位)と言われるモミの巨樹である。これだけの傷を受けながら樹勢はまだまだ旺盛な感がある。囀石といわれるのは、この地方には昔から「吾妻の七つ石」と言われる特別な岩があり、その中のひとつである「囀石」がこの近くに現存しているからです。この囀石は、色んな人々の難儀に対して、言葉でしゃべって救ってくれたという伝説を持った怪石で、今はもう何も喋らなくなってしまったようですが、このすぐ近くに現存していました。