神迎える楡

旭川神社参道にある「兵村記念館」の横に、樹齢400年以上、樹高24m、幹周5.67mと記された道内有数のハルニレの大樹が聳えている。すぐ近くにある旭川中学校校庭や境内にも立派なハルニレがみられ、下記にあるが如く、かつてこの一帯には大樹があった名残なのであろう。兵村記念館の史料によると、当初この一帯には直径1.5～1.8mもある大樹が茂り、昼間でも暗い森林が広がっていた。この地に入村した屯田兵は、まず兵屋の周囲から樹木の伐採を始め、熊笹、雑草を刈り取って焼き、そして伐り株の間を耕す毎日であった。そして、10年～20年の時を経て、伐り株などは１つも見られないほどの耕地を作り上げたのである。　そんな状況下にあって、伐られずに残ったこのハルニレには次のような由緒由来があったという・・・密林を伐採中1本の大楡の根元に祭祀弊数條を飾り、熊の骸骨４個が並べてあるのを発見した。中隊長はこれはアイヌの霊樹であるとして、禁伐木の札を建てた。そのように言い伝えられており、この樹は開拓の聖樹だとされている。