剣淵のヤチダモ

道央道・和寒ＩＣを下りて国道40号線に移り、そのまま12Kmほど北上したところで、宗谷本線剣淵駅に向かって左折して駅前を過ぎれば、剣淵駅の北西500mほどのところに聳え立っている大樹を見つけることが出来る。地元では「開拓記念木」と呼称され親しまれているこの樹はモクセイ科のヤチダモで、樹齢650年、樹高14m、幹周4.8mと記された町指定天然記念物でもある。この樹が開拓記念木と呼ばれているのは、明治32年に屯田兵が剣淵に入植を始めた頃、すでに大きくて目立ったこの樹は集合場所の目印として利用された。剣淵にたどり着いた兵員・家族達はこの樹の下で隊長から訓辞を受けた後に、剣淵兵村に入ったのだという。そんな生々しい開拓史の生き証人・語り部なのである。