(訪問・撮影日　2002年6月)

小田原市街の南西、石垣山北麓の崖地に立っているとの情報だけを頼りに気軽に訪れたが、早川3丁目辺りで尋ねても知る人も少なく、探すのには大変手間取った。 登り口を見つけて水のない沢伝いに登るという難行を敢行して現場に到達。異様に赤く不気味な樹容をしたビランジュに遭うことができた。 ビランジュとはバクチノキの別名で、バラ科、サクラ属の高木でサクラと同じ仲間だが常緑樹である。 バクチノキは樹皮が鱗片状に剥がれてその跡が赤くなるのが特徴で、ごつごつした瘤と合わせて一種独特の雰囲気を醸し出す木である。 バクチノキが生息する北限といわれているこの地に樹齢320年、樹高20m、目通り幹周5.2mもある巨木が現存しているのは珍しいとして、 その特異さから国の天然記念物に指定されているという。 この木の所在地が飛乱地と名付けられていることから相当昔から有名であった樹木であることが分かります。