( 訪問・撮影日　2006/08/16 )

国道163号線・加茂町の井平尾交差点から県道5号線に入り道なりに進むと宇治茶の生産地である和束町で、 役場の先1kmほどにある中学校へ向かう道に入る。車を乗り入れるのもはばかるような細い道が迷路のように入り組んだ集落の外れの高台に、 巨大な杉とその根元に祀られた二つの小さな祠だけの、地元では「ぎおんさん」と呼ばれている「八坂神社」がある。 遠くから見かけた時は樹高20m程度の普通の杉木立があるとしか思えなかったが、近づいて根元の姿を見て驚いた。 よくもこんな大きな樹が茶の里に残されていたものだと感心する。 樹齢1300年以上、樹高31m、目通り幹周12.8mと記されている巨杉である。 このスギはこの地に自生することのない北山杉を育てる伏条台杉だと思われるため、おそらくはその昔に誰かが植えて大きく成長した杉が、 折損して伐られ、北山杉よろしく数本の支幹を成長させたが、手入れをすることなしに放置されたため、あるがままに成長してしまったのではなかろうか。 その数本の幹を立上げている根元の物量感には圧倒されてしまう。