(訪問・撮影日 2012年4月24日)

西都ＩＣから国道219号線を5kmほど北上して西都市街の中心地に入る。 この地点に一部公園化された広大な都萬神社(つまじんじゃ)があり、その神社本殿南側に、 樹齢1200年、樹高40m、根周り16.4m、幹周10.3mと記された国指定天然記念物「妻のクス」が現存している。 このクスは昭和42年と平成2年の２回にわたり、樹幹の空洞部から出火したり、 平成5年の台風で幹の真半分が割れ落ちるという大きな損壊を起こしており、火災で幹の内部は炭化、 根元には崩落した材が横たわっているというなんとも痛ましい姿をさらしてはいるが、 それでも残った半身から新しい枝葉を出して再生しようとしており、この神秘ともいえる生命力の絶大さには驚かされる。 現状での実寸法は一回り小さくなってしまっているであろうが、最盛期には樹高40m、枝張りは南北に34mを広げ、 幹周15m以上あったという主幹から南東に太い一枝を伸ばすなど、数支幹を立ちあげていたといわれる往年の姿を偲ぶのみである。