近代建築が建ち並ぶ武雄市の中心地、武雄市文化会館のすぐ隣に、この地の豪族で塚崎城を構えていた旧武雄鍋島家の屋敷跡とされる 丘のように盛り上がった緑地がある。 その中に現存している「塚崎の大楠」は樹齢3000年ともいわれる大クスであるが、 昭和38年の落雷による被害を受けて主幹の上部を損傷、大きく欠損し、根元周り38mと言われる根際と、 幹周13.9mと記される主幹の一部を残すだけとなり、あとは両脇から伸ばした細い枝幹から葉を茂らせているだけの残骸のような姿になっている。 それでも根元に近づけば、人を圧倒する威風を漂わせており、自然のままに人為的な補修が全く行われていないので見応えは充分にある。 この樹を眺めていると、小枝に茂る若葉が まだまだ生きているぞ ! と言っているように見えた。　 そして昨日、大宰府天満宮で見た 荻原井泉水 の歌碑を思い出した。
・ くすの木千年 さらに今年の 若葉なり 　

(訪問・撮影日 2002年4月19日)