「大杉谷の大杉」は人里遠く離れた宮川ダム貯水湖から少し登った山奥の谷間に聳え立っています。 近くには林間キャンプ施設があるので道は開かれていますが、大杉の周辺は杉や樅が鬱蒼と茂った山林で、 大杉のすぐ横に小川が流れ、湿気が充満した環境下にあります。 樹木の神である「久久能智神(くくのちのかみ)」が祀られている大杉は綺麗な直線で真直ぐに聳え立ち、 樹齢1200年、樹高40m、目通り幹周9.2mと記された大樹です。 　このスギは大杉谷が拓け始めた頃、すでに現存していましたので、この大杉にちなんで大杉谷という地名がつけられたそうです。 またこの地には大樹が豊富であった事から、伊勢神宮の御杣山として、神宮用に用材が幾度か切り出されたそうです。 縁起によると天狗のような神が、この大杉に降臨して悪病や水難を救い、祀ると大漁になるということから、 地元のだけでなく、紀州の漁師などが海上の安全と大漁を祈願したり、修験者も訪れ、神木・霊木として信仰されてきたという。 そして、この神木のすぐ左に不思議な杉の生き株がありますが、この「株」は「大杉神社の旧社」といって今も祀られているようです。

　 この切り株は生きており「大杉神社の旧社」
といって今も祀られているという。