三重県の北部から関ヶ原に通じる国道３６５号線を北上し、黄金大橋を渡って１．５ｋｍほど先で旧道に入ると篠立地区がある。 この辺りは西側の鈴鹿山脈と東側の養老山地から支流が流れ出す員弁川の上流部にあたる自然豊かな地である。 集落の中に立つ案内標識に駐車場有りとあるので、車一台しか通れない細い参道に車を乗り入れてしばらく走ると「永明山 長楽寺」に到着する。 境内の入り口に聳え、駐車場からも仰ぎ見ることが出来る「長楽寺のモミ」は樹高３０ｍ、幹周３．９ｍと記される、三重県では数少ないモミの巨木の一本である。 長楽寺は奈良時代に大澄大師が彫ったとされる秘仏　馬頭観世音菩薩像を今に伝える歴史を持つが、 このモミは１７５２年の開山時に植えられたものと推定して３００年ほどの樹齢ではないかと思われる。