( 訪問・撮影日　2010年5月 )

中国自動車道・庄原ＩＣを下りて国道432号線を北に向かう。途中の川北町で二ヶ所に寄り道をしながら40kmほど走って、島根県境にある高野町新市を訪ねた。 この辺りは標高のある中国山地なので、5月の初旬では、新緑はまだ淡い感じで、山桜が咲いている。 この町の中心部に入る少し手前、国道から北へ少し入ったところに目的の「天満神社」がある。 この神社の「乳下がり大銀杏」と呼ばれる神木は、多数の長い気根が垂れて、長いものは地面にまで届くほどの様相を見せている。 これが名前の由来だ。 普通、これだけ多数の気根を持つと雑然として荒々しくなるものだが、この樹は古来より地元の人達と共生して大切に守られてきたのであろう。 比較的整然とした落ち着いた雰囲気を持っている。 最近に取り付けられたと思われる立派な金属製の支柱の、その架けられた理由が気になるが、老樹としての風格を備えた、見ごたえのある立派なイチョウである。 樹齢1000年、樹高18m、幹周9.6mと記された雄株で、県の天然記念物に指定されている。