川北の大柿

中国自動車道・庄原ＩＣから国道432号線を北に走って7kmほどのところ、川北小学校を過ぎてほどなく、右手に注意をこらしていると、広い田の真中に綺麗な樹形をしたそれらしき木が一本だけ立っているのが見える。田植えを終えたばかりの水田のあぜ道を歩いて近寄らせてもらうことになるが、丁度、新芽が吹き出したばかりで、まだ枝振りの様子が見える樹形が、のぞかな田園風景の中に映えて素晴らしく感じる。人気があるのだろう、早朝にも関わらず、３人のカメラマンが撮影されているのには驚いた。データーでは樹高12m、２幹の幹周5.74mと記されているので、日本最大クラスの柿の木のようだ。ちなみに、日本一を名乗っている「大町の西条柿」というのが隣の岡山県にある。だが、いずれにしろ、柿の木としては大きく、樹形も立派なもので、日本有数の柿の名木であることには間違いはない。落雷を受けたといわれて主幹は空洞化しているようだが、樹勢は旺盛で、秋には多くの実をつけるそうだ。樹齢4～500年との説があるようだが、それに相応しい風格もあり、素晴らしい柿の木である。