物忌神社のスギ

西郷港から国道485号線を五箇方面に向かって7kmほど走り、中河原橋を過ぎた先で右方向に見える集落の屋根越しにそれらしきスギの樹冠を見つける。そのスギを目指して集落に入っていくとそこには小さな鳥居の建つ神社があった。物忌神社(ものいみじんじゃ)は古くからこの地に鎮座する古社で、こじんまりとした境内の左側に存在感のある大スギが立っている。 2～3mほどの高さにあった大枝を折損した傷跡があるのが特徴で、主幹には支柱が架けられ、やや精彩を欠いてはいるもののそれなりに立派なスギである。これが樹齢不詳、樹高25m、幹周6.4mと記された町指定天然記念物の大スギのようだ。社殿の左後方には三種類の木が絡みあって一体化した奇妙な樹が聳え立っており、社殿右後方にはそれほど太くはないが、根を一つにした三本のスギが聳えている。そしてこの三本杉にだけは注連縄らしきものが張り込められている。何も情報がなく知ることはできなかったが、物忌(ものいみ)という名からしてその祭神(稲倉魂命)や由緒が少々気になる神社だ。