( 訪問・撮影日　2010.7.10 )

「虫川大杉」から県道503号線を3kmほど南に下り、国道403号線と重複した辺りに、霧ケ岳に向かう林道の起点がある。 途中に崖崩れの補修工事で通行止めになっていたが、そこを過ぎると細くて傾斜のきつい舗装路があり、そこを登りつめたところに駐車スペースがある。 そこから少し上ると、霧ケ岳を背にした山の中腹の開けた地に「坊金の大杉」が悠然と立っており、その少し手前に小さな社が祀られている。 幾本かに枝分かれした大枝を立ち上げた大杉の樹影に心ひかれるが、朝霧に浮かぶ山影も素晴らしい。 西方の対面には城山(344m)が見えるが、城山は直峰城(のうみねじょう)のあったところで、この辺りは春日山城から三国峠を越えて関東に至る三国街道（上杉軍道）の要衝で、 ここには坊金城もあったと伝えられているそうだ。戦国時代に上杉軍は、対面の直峰城との連絡にこの杉の枝に鐘を吊り下げ、連打して合図したと伝えられている。 そういえば、鐘を吊るのには恰好の枝がある。杉は樹齢800年、樹高32m、幹周8.5mと記された県指定天然記念物である。