( 訪問・撮影日　2010.8.7 )

( かみやつ )

飯能市高山の高山不動から奥武蔵の稜線を越える最短ルートを走って県道61号線上の「越生梅林」入口に到着した。 この梅林入口で県道を離れ、西に分岐する道に入って700mほど先にある最勝寺手前の分岐を右に入って道なりに2.5kmほど進むと、 上谷地区の農家の裏山に、それらしきクスの大きな樹冠が見える。 道端の駐車スペースに車を置いて裏山に向かうと、見学者用に設えられた大規模な木道デッキの上にでる。 大クスの保護と見学者の足場を考えて作られているのは合点するが、少々大きく立派すぎてその分写真を撮るには不具合だ。 主幹は根元で大きく二本に分岐し、その上部から数本の大枝を立ちあげるこのクスは異形ではあるが埼玉県下最大とされる巨木で、 樹齢1000年、樹高30m、幹周15mと記されて埼玉県指定天然記念物にされている。 過去に樹木医による手入れを受けて、樹脂が充填されている所も見られるが、背丈もあり横にも大きな広がりを持っており、樹勢も旺盛で大樹の風格を備えている。 クスノキは中部以西の太平洋側各地の温暖な土地に多くみられる樹種だが、この樹はクスの分布帯からすると北限にある巨樹だとされている。