( 訪問・撮影日　2010.8.7 )

ときがわ町の「萩日吉神社」から南へ300mほど進んだところに大カヤの存在を示す案内標識がある。 この場所は狭くて駐車は出来ないため少し先の路肩に車を置いて、案内に沿って林道に入り、 スギ林の中に続く足元の悪い粘土質の斜面をしばらく登ると、突然周りが開けて存在感たっぷりな大カヤが姿を見せる。 密に植林された杉木立の中にぽっかりと空いて下草が茂る空間の中心で、 辺りを睥睨するかのような容姿をした大カヤが、長い枝葉を振り揺るがせながら立っている。 何故、何の変哲もないこんな山中に1000年を超えて生きる大カヤが現存しているのだろう？　 本当に、慈光寺七木の一本として、畏敬の念だけで守り伝えられてきたのだろうか？ そんな思考を巡らせたくなる雰囲気が漂う現場である。 カヤの巨木というと寺社に植えられているものを多く目にしてきたが「与野の大カヤ」がそうであるように上品な風格を持つものが多い。 だがこの樹は野趣で、荒ぶる風格を持っており、今までにお目にかかったことのないタイプのカヤだ。 樹齢1000年、樹高16.0m、幹周6.60m、枝張り25mと記された県指定天然記念物である。