( 訪問・撮影日　2010.8.7 )

東松山市にある大東文化大学の西方500mほどの所に、本堂の横にある切り立った岩壁に８８体の石仏が並んでいることから、 通称、岩殿観音とよばれる 巌殿山正法寺 がある。 真言宗智山派の寺院で、入口の仁王門には運慶作の仁王像があり、境内には根を露わにして異彩を放つ大イチョウが聳えている。 この大イチョウは岩の上に乗っかるように根付いて成長し、岩を呑み込んだ根が無数に空中に張りだし、 蛇が互いに絡み合うような不気味な様相を呈している。　 このように根が露出したイチョウは他にもたくさんあるが、この樹の根の物凄い形相と迫力には驚くばかりである。 この地は「岩殿」と呼ばれるように岩盤の上にあって、表土は浅いようだ。 地面に下りた根が地表面に浅く浮き出して網目のように伸び広がっている様子が見える。 樹齢３００年、樹高２０ｍ、幹周１３．５ｍと記された東松山市指定天然記念物である。