( 訪問・撮影日　2008/5/8 )

那智勝浦温泉を出て那智山に向って7kmほど走った所、道沿いにある大門坂駐車場に車を置き、 ここからは熊野古道の大門坂ウォークを体験しながらの巨木探索に出かける。 駐車場を出て車道を200mほど上ったところに「大門坂」入口を示す標識がある。 入口となる民家の連なる古道を進んでいくと、ほどなく南紀の偉人 南方熊楠 が３年ほど滞在して研究に没頭したという 大坂屋旅館跡がある。 その少し先にある鳥居をくぐると、俗界から聖地に渡る「振ヶ瀬橋」があり、橋を渡った先の石畳の参道両脇に、 誰もが見過ごすことのないほどの存在感を示した２本の大杉が、巨大な門柱の様に聳え立っている。 樹齢800年、樹高55m、目通り幹周8.5mと記された「夫婦杉」である。 この夫婦杉の間を通り抜けるとその先の視界は一変し、原始自然が展開するような杉木立となり、 その森の中に先人達が築いてくれた石畳道が伸びていて、この道を歩んで行けと無言で導いてくれているように感じるのである。 全長600m、高低差100mを267段で登る 古式の石畳道である。 道の両側には100本以上といわれる大スギを中心にクスの巨木も現存しており、巨木を愛好する者にとってはたまらない時空に包まれてしばし堪能できる。