山梨県の北西部に位置する武川町は、南西に南アルプス連峰がそびえ立ち、その山懐から流れ出る豊潤な水と緑に恵まれた自然豊かな山里である。 日本の名桜、日本三大桜の一つに数えられる「山高神代サクラ」は武川町山高にある「実相寺」の境内に現存するエドヒガンの古木で、 推定樹齢は1800年、樹高13.6m、目通り幹周10.6mと記された、日本最古最大級の巨桜として古来より有名な桜である。 大正時代に制定された国指定天然記念物の第一号として大正11年10月12日に、根尾谷淡墨桜、三春滝桜の三大桜が揃って指定されるという栄誉を授かっている。 日本武尊が東征のおり、この地を訪れ、記念にこの桜を手植えされたという伝承から「神代桜」と呼ばれている。 後年になって日蓮上人がこの桜が衰弱しているのをみて樹勢の回復を祈願され、再び繁茂したとの伝承から「妙法桜」の別名もあるという。