中央道・小淵沢ＩＣから南下して県道17号線に移り、そこから6kmほど東進すると、 左手にＨＯＹＡ長坂工場がある。その直前の脇道に入って進めばほどなく中央本線の踏切があり、渡るとすぐ前方に桜が見える。 「大糸桜」は、エドヒガンの変種だとされる枝垂れ桜で、樹齢400年、樹高9m、幹周7.5mと記された県指定天然記念物で、姿形の良い一本桜として古くから有名である。 さぞや混雑しているだろうと覚悟はしていたが、花見をするには一週間ほど早すぎたようで、人影は2〜3人だけだった。 根元で分岐した太い幹を横に伸ばした独特の樹形から細く枝垂れる美しさが見どころなのだが、近年は樹勢が衰えて若い枝が少なくなり、今一つ見栄えのしない姿になっている。 2009年から4年計画の樹勢回復事業が実施されているが、まだ思うような成果が出ていないように感じる。 最近は通年で老樹を守るために防風ネットを設置しているが、致し方なしとはいえ景観を損ねており残念だ。

　 ( 訪問・撮影日 ２０１６年４月８日 )