大又川に注ぐ小又川の下流域に、半端ではなく川に身を乗り出した大スギが現存していた。 ここまでに成長したスギが不安定な姿勢のままこれほど優雅な姿を決めているのは珍しい。 見た瞬間には気の毒で さどかしストレスがきつい事だろうと思ったが、そんな心配は全くご無用のようで、実にのんびり ゆったりとした気分で生きているようだ。 　事の始まりは、私が根を岩場に下ろした事でした。土を求めて根を伸ばし続けたおかげで根はだれにも負けないぐらいに発達しましたよ。 昔は、川がもう少し離れていたのですが、大水が出たりして川の流れがだんだん私に近寄ってきて、根元を洗い流し始めたが、木は逃げるわけにもいかないので、 ずっとこの場を守り続けてきたのだよ。そんなある日、大勢の人達が来て堤防を築きはじめたのですが、私が邪魔になるようでした。 だが、この人達は優しく思いやりがあって、私をそのままに残してくれました。 少々奇妙な姿かも知れませんが、これからも末永くこのままの姿で のんびり〜と 立ち続けたいと思っています。