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我流つれづれ草 |
2018/1/30 |
西笹川中学校 メタセコイアの黄葉 |
我流つれづれ草・・・専門分野に長けた人 ある専門分野に長けた人が、畑違いの人達の集まりに出た時「ああ、これが自分の得意分野の集まりだったら自分も参加して、大いに語れたのに」と残念そうな態度を見せたりしがちである。しかし、こういう態度を示すのはあまりよろしくないことだ。 自分とは畑違いの人達の知識・話題をうらやましく思うなら「うらやましいな、自分も勉強しておくべきだった。」 と、素直に謙虚な姿勢を示せばいいのである。 自分が得意とする分野の知識・能力だけをふりかざして相手と張り合うのであれば、角のある動物が角を突き出し、牙のある動物が牙をむき出して争うのと同じようなものだ。人であるならば、自慢せず、他人と争うような事を避けるのが道徳にかなっている。人に勝っていると思う姿勢、その態度こそが対人関係にトラブルを招くのである。 良家の出身だ、才能もある、先祖にも優れた人がいたなどと、自分は他人よりも優れた人間だと思っているとしたら、たとえそれを口に出さなくても心の内は、態度として表に出てしまうものだ。 だから、そのような態度を露わにすべきではない。さもなければ、愚か者だと軽蔑され、上げ足を取られ、ケチを付けられる。 この様な禍を招くのは、ただ、このうぬぼれた態度が原因なのである。 一つの道で大成した人は、自分にはまだ欠点が残っているのを知っているから、生涯、自分自身に満足するようなことはない。だから、うぬぼれたような傲慢な態度を人に見せたりはしないのである。 |
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徒然草 (原文) 第167段 一道に携はる人、あらぬ道の筵に臨みて、「あはれ、我が道ならましかば、かくよそに見侍らじものを」と言ひ、心にも思へる事、常のことなれど、よに悪く覚ゆるなり。 知らぬ道の羨ましく覚えば、「あな羨まし。などか習はざりけん」と言ひてありなん。我が智を取り出でて人に争ふは、角ある物の、角を傾け、牙ある物の、牙を咬み出だす類なり。 人としては、善に伐らず、物と争はざるを徳とす。他に勝ることのあるは、大きなる失なり。 品の高さにても、才芸のすぐれたるにても、先祖の誉にても、人に勝れりと思へる人は、たとひ言葉に出でてこそ言はねども、内心にそこばくの咎あり。 慎みて、これを忘るべし。痴にも見え、人にも言ひ消たれ、禍をも招くは、たゞ、この慢心なり。 一道にもまことに長じぬる人は、自ら、明らかにその非を知る故に、志常に満たずして、終に、物に伐る事なし。 |
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[この段によせて] この段を読んでいた時、相撲の道を究めたような人達が集まった日本相撲協会が、仲間内で、相撲ならぬ権力争いで、マスコミを賑わしているのである。 兼好さんの記述によると、大相撲で横綱を張ったほどの力士ならば、自分の能力を自慢するような事はしない。 仮にも、驕りある態度が見えるならば、そのような人達はまだ人間として、半人前だと言っておられる。 その日本相撲協会は、巡業先で横綱日馬富士が貴ノ岩関に暴行を加えて傷害を負わせたという不祥事の後始末と、加熱するマスコミ報道の対応に大わらわである。 日馬富士事件の発端は、2017年の秋巡業中のこと、白鵬、鶴竜、そして日馬富士のモンゴル出身三横綱と、数人のモンゴル出身力士が、鳥取市内の飲食店に寄り集まった酒席で、 内輪の話のもつれから、先輩格で横綱の日馬富士が、後輩の貴ノ岩関に、先輩に対する態度がなっていないと激昂し、一方的に暴行を加え、頭部に全治二週間の傷を負わせたという事件である。 通常ならば、酒席での仲間内のトラブル、怪我を負わされたとはいえ、示談で済ましてしまう程度の事件であったように思う。 ところが、巡業部長である貴乃花親方は、相撲協会に報告せずに、独断で鳥取県警に被害届を提出した。 これにより、横綱日馬富士は障害罪の責任を取って大相撲から引退せざるを得なくなり、全治2週間の診断書を提出した貴ノ岩が、11月場所と、次の1月場所、 二場所を全休場してしまうことになり、将来を懸念しなければならなくなっている。 相撲協会は、報告を怠り、調査にも非協力だった貴乃花巡業部長を、理事解任処分とし、他にも減給処分者を出すなど、 泰山鳴動して鼠一匹程度の事件が角界を揺るがすほどの大騒動に発展してしまっているのである。 この事件の背景については、マスコミをはじめ関係者からも、有ること無い事、様々な情報が乱れ飛んでいるが、被害者である貴ノ岩と貴乃花親方が、 調査は警察・検察に任すべきであると口を閉ざして、協会の調査には応じなかった事により、長期間にわたり混迷した状態が続く結果になった。 |
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日本相撲協会が、マスコミの餌食にされているのは次の様な事例が元になっているからだろう。
モンゴル出身力士の懇親会が馴れ合い相撲の温床になっているなどと話題になっている中で、巡業中にこのような会合を持つことを協会は認めていたのだろうか。
こんな末端のモンゴル人勢力の中にも、逸ノ城、照ノ富士、貴ノ岩という「鳥取城北高卒」という新たな勢力が生まれており、
白鵬がまとめようとしているモンゴル勢力に背を向けた行動をとるようになって、もはやモンゴル勢も一枚岩ではなくなっているのである。
今回、鳥取市内でのモンゴル力士の集いは、鳥取城北高の恩師を囲んでの懇親会として行われたようだが、あろうことに三横綱が参加しており、
その二次会の席で横綱たちは、この勢力の動きを意識して貴ノ岩に説教を始め、事件に至ったのではないだろうか。 |
白鵬が、貴乃花巡業部長の元では巡業に参加したくないと発言したと報道されていたが、力士の最高位にある横綱とはいえ、一力士が突然に、全体会合の中でこんな発言をしてしまうとは、 横綱白鵬が貴乃花親方に対して持つ敵対感情があからさまに出ているように思う。 このような言葉をあからさまに言った横綱白鵬と、言われた貴乃花親方、この二人の間には必ず敵対する確執があるはずだ。 貴乃花親方としては、大相撲を席巻したモンゴル勢の筆頭にいる白鵬が、将来的にはモンゴル勢を、白鵬一門として立ち上げようとしている事に対し、強い対決姿勢を露わにしているのであろう。 この二人は、今の角界の現場を背負って立つ人物であるが、こんな低俗な形で、話題を世間に晒すようじゃ情けない、品格に欠けた人物だとしか思えないのである。 理事という責任ある立場の貴乃花親方が、相撲協会の危機管理委員会の調査協力を拒否するばかりか、上司である八角理事長までも無視し、対立する態度を示し、 目上を敬う心や礼儀知らずの厚顔で通しているのもみっともない。 口を開かなかった貴乃花親方の心の内にはどんな「思考」があるのであろうか。 そろそろ言葉にして外に出さないと、お前はいったい何様のつもりでいるのか、そして、相撲協会をどのようにしたいのか意思表示をしろという、世論の外圧と戦わなければならなくなるであろう。 八角理事長もお粗末だ、協会は理事を解任するという処分は下したが、貴乃花一門という勢力を持った親方という立場には変わりはないので、直後の理事選挙で、 一月も立たぬうちに返り咲きを果たすのではないだろうか。たとえ、評議員会が認めないという評決でも出すようなことがあれば、世論は貴乃花親方に味方することに変わるだろう。 こんな、部屋の利益代表者のような組織体質だから、次々と問題が生まれるのである。 本事件が冷めやらぬ内にも、式守伊之助事件、春日野部屋傷害事件、大砂嵐関の事件 等々、過去の不祥事までもが次々と明らかにされているのであるが、 これは日本相撲協会の統治能力の無さを示すもので、これらのリーク情報は、近々行われる理事選挙に絡んだ印象操作用に持ち出されたのではないのかとも思われ、 相撲協会組織のたがが緩んでおり、崩壊寸前になっているのではないかとの感がするのである。 果たして、理事選挙の賽の目はどのように転ぶのであろうか？ |